名古屋は最も魅力に欠ける都市として世間一般には認知されているようだ。
ネットで検索すると名古屋の名前がてんこもりに出てくる。
だが、それはあくまで世間一般のイメージ。
B級の我々からすれば、名古屋を含む愛知県は奇天烈物件を保有する最先端のクリエイディブ都市なのである。
4年前に沿線沿いに佇む布袋大仏と桃太郎神社を訪れて以来、この県には一目を置いている。
ということで、久しぶりに名古屋での大仏散策。
10円色の聚楽園大仏を一目見るべく愛知県の東海市へ。
滞在していた西尾からJRで1時間ほど、名鉄の聚楽園駅に到着。
8月8日という絶好調の真夏日よろしくの最中、期待通り眩しいばかりの青空が広がる絶好の大仏日和。自然と足取りはルンルンになる。JRの駅を下りると存在感ある頭部の一部があらわになっている。
「なんだか想像より大きそうだ」
テンション高めで公園内へ突入してみるとニクイ演出。
階段の先端にお顔が見えるという、大仏3大シチュエーションの1つだ。
(この技法は、大船観音やおびんづるさまなどで使われている)
階段の前には仁王像が立つ。
こちらは今にも破裂しそうな顔をしている。
汗だくで階段を登りきり、いよいよご対面。
すると只者ではない気配を感じとる。
「おおっ!なんだこの重厚感は!」
思わず鳥肌が立ち後ろにのけぞってしまうほどの迫力!
想像を遥かに凌駕するリアルな出で立ちに身震いがした。
ちょうど、ドラゴンボールの閻魔大王か初期の大豪院邪鬼くらいの大きさ。
なんだろうか、この怒られている感覚は。
仏像の大きさこそたいしたことはないもののそれ以上に、凛として大地に根を張ってるような立像にはない坐像の真髄を見た気がする。
鉄筋コンクリート製ながら10円玉のような色具合がなんともいい感じだ。
なんでもこの大仏は、名古屋の実業家の山田才吉さんが作られたそうである。
昭和天皇の御成婚記念で作られたそうだが、その本当の意図は定かではない。
ぐるぐると大仏の周りを歩いていると、へそまでの短いシャツにボロボロのジーパンにリュックサックをからったバックパッカー風の男が語りかけてきた。
「ずっとこの大仏を見て育ってきたから、鎌倉大仏見ても小さいなと思った」
旅人かと思いきや地元の人みたいだ。
そう、この大仏は鎌倉の大仏よりも大きいのだ。
訪問日 2017年8月8日
大仏等級
平幕(10M~19M)
大仏の高さ18、79メートル
鉄筋コンクリート製
愛知県東海市荒尾町西廻間2-1
名鉄線「聚楽園駅」から徒歩約3分
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