【石川】加賀百万石を象徴する巨大仏 加賀大観音 28仏目

石川県屈指の巨大仏像が存在するのが100万石の加賀市である。

仏像界においてこの中部エリアというのは実に興味深い地域である。
中でもこの石川県は一目置くべき県である。
その石川筆頭の大きさを誇るのが加賀大観音である。

新大阪からJR西日本サンダーバードに乗車しおよそ2時間半。
その大仏のお膝元は「加賀温泉駅」

到着は夜中だったのでわからなかったが日が昇ってみると
ででーんと登場。
駅からの眺めはなかなか爽快である。

駅の改修工事かなにやらで右側のクレーンが忙しなかった。
大仏が73メートルもありすでに大きいのだが、やや地形もこんもりした高い場所にあるので遠方からだと割り増しで大きく見える。

さて、この場所だが駅からの徒歩では実に微妙な遠さがあるので徒歩で行く際には頑張っていただきたい。
公式パンフによるとタクシー10分で、徒歩は12分とある。

確かな矛盾を感じるのは私だけだろうか。

まあいい。

筆者は旅先の味方「ニコニコレンタカー」を活用することが多いのだが
今回もまたしかり。
小松のハニベ巌窟院へも行けるのでオススメの移動手段だ。
ちなみに加賀温泉駅から徒歩5分くらいの場所にある。

話を元に戻そう。

この観音像が安置してあるのは「天空聖陵 加賀の郷」という場所である。
郷というだけあって、観音様の他にも「梵鐘」やら「五重塔」などがある。

寺院にはこじんまりした駐車場があるのでそこに停める。無料だ。
すぐに寺院の正面なので、こんな具合にどどんと現れる。
あっちなみに拝観料500円が必要ね。

加賀大観音は大きさ73メートル

日本で5番目の高さを誇る。

門番の老婆がこう教えてくれた。
「あの抱いている赤ん坊の大きさは16メートルで、奈良の大仏さんより大きいんですよ」

何かとライバル視されてしまう奈良の大仏や鎌倉の大仏も大変だ。

全身金色のピッカピカ。
ケンシロウのような盛り上がった胸筋が実にたくましい。

顔立ちはふっくらというより、親知らずを抜いた後のよう。
下からみると重力に負けて垂れ下がっているようにも見える。

背後に回ってみる。

後ろにはワイヤーが1本あるが、落雷による衝撃を逃がすためとか。
スタッフの方は大仏さまが前のめりに倒れるのを阻止するためということを言っていた。

つなぎ先はこれ。
意味あるのか。。

このような設計だったのかはわからないが、確かにやや斜めだ。

実はこの場所、もともとユートピア加賀の郷というテーマパークで、ホテルあり温泉ありジェットコースターありという場所だった。

土木作業員から「関西土地建物」社長にまで上り詰めた「関西のビル王」嶋中利男氏が1987年に280億円をかけて建設した。

だが、バブルが崩壊し冷え込んだ時代に突入すると2000年に閉鎖に追い込まれる。
その後「密教禅大本山豊星寺」となるもまた閉鎖し、長いこと廃墟に近い状況で存在していたそうだ。その後「観音院加賀寺」となり、2016年からは「天空聖陵 加賀の郷」として名前も原点回帰でリニューアルしたそう。

境内に天空庵というカフェができるなど進化。
ちなみにここのイチオシメニューは千手観音ごぼ天うどんらしい。
付けまつ毛ばりの躍動感。

注文はコーヒー250円。

リーズナブルな価格と店内で大仏を見ながら休憩できるという贅沢な空間。

この手の施設、休憩スペースがあるところも多いが、無造作に椅子とテーブルが設置してあるだけで休むには程遠い空間が実に多いことが気になっていた。

なのでこの空間にはとても満足。

境内の施設

ここでこの寺院を彩る様々なオブジェをご紹介しよう。

加賀三十三間堂

1188体の千手観音像がズラリ整列している空間(写真撮影NG
センターの千手観音を入れると1189体となる。

梵鐘佛堂

直径5m、全高10m、重さ350トンで世界一の大きさを誇る。
どうせならゴーンの鐘突き棒も金ピカにしたらいいのに。

五重塔

全高17mの金ピカの塔。
エステのようなヒーリングミュージックが永遠流れているが
空間にはミスマッチが否めない。

釈迦八相・シルクロード

昔はもっと豪華絢爛だったそうだが、今は極めて質素。
羊や馬のミニミュアの完成度は高かった。

境内でもらった案内チラシ
タイトルがイラストのギャップがなんとも言えない味を出している。

拝観料  500円
営業時間(年中無休)
09:00~18:00 (夏期)
09:00~16:30 (冬期)

やはり70メートルを超える大きさを実感するには遠景から見た時だろう。
2〜3キロ離れた場所からもよく見える。

ちなみにこれだけ目立つ大仏さんでありながらも地元の反応はやや薄い。

タクシー運転手は「ああっあの大仏さんね、数年前に運営会社が潰れて今は廃墟になってるよ」と語っており、未だに廃墟だと思ってるようだった。

大仏等級

大関(60M~99M
大仏の高さ73メートル
ブロンズ

922-0423
石川県加賀市作見町観音山1-1

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