大分県の有名温泉地の由布市にあるユニークさ満開の奇門が『合掌門』である
この合掌門は、正雲寺というお寺のシンボル的玄関だ。
奇妙な造形に心踊らせながら中に入る。
ちょうど女性住職が、にこにこと笑顔で迎え入れてくれた。
ここは以前は善徳院というお寺だったが廃寺となりボロボロとなっていたそう。
それを現在の住職が引き継ぎ改装し、現在のような白塗りのお寺に仕上がった、というわけである。
シンボルの合掌門が善徳院の名残となっているが、女性住職もあの門を作った前住職の意図はわからないそうだ。
本山は1552年創建、福島の会津若松にあり上杉謙信ゆかりの寺のいわれがあるそう。
改装の際には本山からもおじさんたちが手伝いにやってきたらしい。
寺院内はステンドグラスが装飾されている。
2017年12月頃にボランティアの方など交えてすベて手作りで作り上げたそう。
女性住職だからこそできる所業、おっさん住職には少しハードルが高いだろう。
もともと、寺は地域住民の寄り集まる開かれた場でもあったが時代の変化とともに住民との距離は離れていった。
ここは寺を地域に開くという思いが強く、地域の人たちの憩いの場にもなっている。
院内の装飾など温かみを感じれる場所だ。
ゆえに合掌門とのギャップも感じるがそれはそれでありだと思う。
月一で写経なども行なっているそうで、一度参加してみたい。
これは境内にある由布大観音18メートル(台座込み)である。
この寺の第2のシンボル的な存在となっている。
寺の面前には由布岳と鶴見岳がそびえる。
5年くらい前に登ったことがあるがスリリングな鎖場にハラハラしたのを覚えている。
良い山だ。
内側から見た合掌門。
抜苦与楽が強調されているが面前の掘っ建て小屋はかなり年季が入ってボロボロだ。
汚れも溜まっているので、ケルヒャーで洗浄したら気持ちいいだろうな。
境内から一歩外に出てみると田舎風景に合掌門と馬頭観音像が溶け込む珍景色を望める。
落ち着いたシックな黄色は嫌味がない。
馬頭観音さまは10メートル近い大きさ。
この巨大さはあまり見たことはない。
巨大化すると、他の像に比べ手数が多い分コスト的にも負担が増すだろう。
けど、30メートル規模の馬頭観音を一度はこの目で拝んでみたい。
前身の善徳院と比べると、奇抜さはなくなりフェミニンな空気を纏う場所へと変貌していたが、
来るものを迎え入れる偉大な門としての存在感に変わりはなかった。
これからも多くの悩める人たちを迎え入れてくれることだろう。
分県由布市挾間町朴木1027