【愛知】やっぱり頭は緑色 普光寺 43仏目

名古屋市内に位置する普光寺
夏のギラギラした太陽の下を名鉄「尼ケ坂駅」から歩いて向かった。
創建は、天正5年に儀存和尚により建立。
隣には神社が経営するゼンヌ幼稚園があり幼児たちの明るい声が聞こえてくる。

ここに鎮座するのは通称「北大佛」と呼ばれる緑パンチの大仏さま。

高さは7.235mと大したことはないが、カラーリングが個性的。
そのあふれる個性は、寺の外からも確認できる。

入場料などはかからないので、気になる人は中に入ってゆっくり眺めてほしい。

こちら正面。
全身をリメイクした面影があり、不自然な安っぽい色に仕上がっていた。
以前はもっと年季の入った10円玉のような色合いでそっちのほうがありがたみがあっただけに残念だ。

顔はちょっとスケキヨのようだ。

目の前には瞑想にふける如意輪観音の像もある。

願いを叶えてくれるそうなので、お忘れなく。

愛知県名古屋市北区大杉3-12-8

【愛知県】浅野祥雲の弘法大師像 36仏目

厄除弘法大師

愛知県尾張旭市に鎮座する弘法大師像

全国各地に弘法大使さまはいらっしゃるがここの像は一味違う。

それはなぜか。

作者が日本が誇る天才コンクリート造形師浅野祥雲だからである。
愛知県はとにかく浅野祥雲作のものが多いが、一番最初に衝撃を受けたのは桃太郎神社だった。

日本が誇る奇天烈神社を彩る桃太郎キャラクターのその哀愁ある姿に心奪われてしまった。
以降、浅野祥雲のコンクリ像は己にとって特別なものとなった。
浅野祥雲についてはこちらを見ていただきたい。大仏関連で一番好きなサイトである。

http://chindera.com/asano-asano.html

さて、その浅野祥雲作弘法大使コンクリ像は、尾張旭駅から徒歩10分ほど行った先にある愛宕山という小高い丘の上のやや開けた場所に立っている。

こちらのお寺を目印に、右手に突き進む。

見たことはないが、奥の細道にでできそうな雰囲気の森の道を突き進む。

大仏さんの元にたどり着くまでのこの煽りの部分がいい。最近はさらっと会えるとちょっと拍子抜けする。

道を抜けると吹き抜けた場所にでるとご対面。
白塗りの顔とレトロな色合いのオレンジに背面の木々の緑がうまく調和している。

ハーモニーってこういうことか!
と、初めて実感したような気がした。

さて、この場所は昭和6年に建立されたそう。
大師像の正面には拝殿があってお堂の中から大師サマを拝する事ができる。

良かった、今日が青空で。

地元の人たちによって大切に守られてきたと勝手ながらに解釈した。
ちなみに由来はこんな感じ

大師像から右側に目を移すと、不動明王とその眷属。

眷属でありながら、各々が主役を晴れる主張の強さは流石は浅野氏。

しかしながら思う。

「こいつらは一体誰なんだ」と。

このドヤ顔ときたらもう。
憎たらしくも愛着湧く顔がマニアにはたまらない。

大仏等級

コンクリート製
昭和6年開眼

愛知県尾張旭市新居町寺田2956

 

【愛知】名古屋の緑大仏 34仏目

名古屋大仏

ああっ実は俺って大仏が好きなんだと知ってから、一番最初に見にいった大仏はこの名古屋大仏である(記憶の限りでは)

全身緑の圧倒的存在感に心奪われたのは懐かしい。

あれから色々な大仏を見てきて、見る目も肥えてきた。

果たしてファーストインプレッションのようなトキメキをまた与えてくれるのだろうか。

元カノに再開するような、どこか複雑な心境で向かった。

名古屋駅から東山線に乗り、本山駅から徒歩5分ほどの場所にある「桃厳寺」がお目当の場所だ。創建は1555年と歴史は深い。

お寺の中には日本一の木魚などがあるのだが今回はそこはスルー

壁に掘られた古代文字のような模様を見ながら大仏へ向かって一目散に進む。

ほどなくすると、木陰からぬっと大仏が現れる。

おおおっ

やはり先輩は偉大である

全身の緑と青空とのコントラストは絶妙

でもなぜまたこんな緑の姿になったのであろうか。

きっと何か特別な理由があるに違いない。

下アングルから舐めるように見てみる

肉付きの良いふっくらとしたこの手がこの大仏の育ちの良さというか

柔らかさを演出しているのだが、顔をみるといややっぱ違うな思わせるのが

この大仏の魅力なのかもしれない。

丸みを帯びた背中は銭湯の湯上りのおじさんのようでどこか懐かしい

台座の造形も素晴らしい。360度ぐるりと大仏の周囲を囲んでいる。
僧侶と象、鹿、孔雀とインド色が漂う。

この日は寒かった。

ちょうど背後に「ん~これは凍っとるわ」とブツブツ言いながらロウソクが浸った水を掃除しているおじさんがいた。

格好を見たところ、お寺の住職のようだ

これはチャンスと大仏がなぜ緑色なのかその理由を問うてみた。

「緑色の理由は特にないねー、ただ目立つからこの色にした」

緑色の理由は「目立つから」だそうである。

なんでも緑、濃い緑、銅褐色の3つが候補に上がり、目立つこの緑が選択されたという

住職はそういうと、掃除を終えて去っていった。

まあいい。緑であることには変わりないのだ。

実物大と思われるでかい手
のび太の鉄人兵団のザンダクロスみたいな手だ。

腰掛けてみたいという欲求にかられたが、ちらほら人もいたので
今回はやめといた。また来た時にとっておこう。

大仏等級

大仏の高さ10メートル(蓮台と台座を含めると高さ15m)
昭和62年 開眼
ブロンズ製

〒464-0819
名古屋市千種区四谷通2丁目16

【愛知】西尾の奇怪な閻魔堂 22仏目

西尾市でどうしても見たかったのがこの常楽院閻魔堂。
国道247号線沿い、刈宿の交差点から100メートルほど北へ進むと現れる小さなお堂である。

何がすごいかというと、ファーストインプレッションがヤバい。
閻魔堂を守るうさぎさん達、もとい鬼の立像である。

 
そのあまりにも独特な出で立ちは、我々のような変わり者を強力な磁力でおびき寄せる。昭和のプロレスラーのような腰の位置ではくタイツ(あえてタイツと呼ぼう)は時代を感じさせる。

なんでもこの寄像は昭和4年に澤常吉が製作したそうだが、詳しい内容はここには記されていない。50分の1に縮尺された像が売っていれば間違いなく買っているのは言うまでもない。

もちろん、これで終わりではない、中を覗いてもまた異世界が広がる。
お堂の中をこじ開けることはできないので、木格子から中を覗く。

すると、リアルな閻魔像がいる。何がすごいって鬼の立像とのクオリティ格差がすごい。

隣に座る狛犬の像。閻魔様に使える犬ともなれば首輪は必要ないようにも思えるが。

一応、もう一度

地元の人曰く、子どもの頃はここに近づくのもイヤだったそう。
なので、「えっこんな閻魔あったん?」という反応すらある。
筆者はこの像がいつまでも西尾市民の心の拠り所となっていくことを切に願う。

愛知県西尾市刈宿町

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【愛知】聚楽園大仏 21仏目

名古屋は最も魅力に欠ける都市として世間一般には認知されているようだ。
ネットで検索すると名古屋の名前がてんこもりに出てくる。

だが、それはあくまで世間一般のイメージ。
B級の我々からすれば、名古屋を含む愛知県は奇天烈物件を保有する最先端のクリエイディブ都市なのである。

4年前に沿線沿いに佇む布袋大仏と桃太郎神社を訪れて以来、この県には一目を置いている。

ということで、久しぶりに名古屋での大仏散策。
10円色の聚楽園大仏を一目見るべく愛知県の東海市へ。
滞在していた西尾からJRで1時間ほど、名鉄の聚楽園駅に到着。

8月8日という絶好調の真夏日よろしくの最中、期待通り眩しいばかりの青空が広がる絶好の大仏日和。自然と足取りはルンルンになる。JRの駅を下りると存在感ある頭部の一部があらわになっている。

「なんだか想像より大きそうだ」

テンション高めで公園内へ突入してみるとニクイ演出。
階段の先端にお顔が見えるという、大仏3大シチュエーションの1つだ。
(この技法は、大船観音やおびんづるさまなどで使われている)

階段の前には仁王像が立つ。
こちらは今にも破裂しそうな顔をしている。

汗だくで階段を登りきり、いよいよご対面。
すると只者ではない気配を感じとる。

「おおっ!なんだこの重厚感は!」

思わず鳥肌が立ち後ろにのけぞってしまうほどの迫力!
想像を遥かに凌駕するリアルな出で立ちに身震いがした。
ちょうど、ドラゴンボールの閻魔大王か初期の大豪院邪鬼くらいの大きさ。
なんだろうか、この怒られている感覚は。

仏像の大きさこそたいしたことはないもののそれ以上に、凛として大地に根を張ってるような立像にはない坐像の真髄を見た気がする。
鉄筋コンクリート製ながら10円玉のような色具合がなんともいい感じだ。

なんでもこの大仏は、名古屋の実業家の山田才吉さんが作られたそうである。
昭和天皇の御成婚記念で作られたそうだが、その本当の意図は定かではない。

ぐるぐると大仏の周りを歩いていると、へそまでの短いシャツにボロボロのジーパンにリュックサックをからったバックパッカー風の男が語りかけてきた。

「ずっとこの大仏を見て育ってきたから、鎌倉大仏見ても小さいなと思った」

旅人かと思いきや地元の人みたいだ。
そう、この大仏は鎌倉の大仏よりも大きいのだ。

訪問日 2017年8月8日

大仏等級

平幕(10M~19M
大仏の高さ18、79メートル
鉄筋コンクリート製

愛知県東海市荒尾町西廻間2-1

名鉄線「聚楽園駅」から徒歩約3

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【愛知】刈宿のおおぼとけ 20仏目

奇想天外の愛知県シリーズ。

今回焦点を当てるのは名古屋から電車でおよそ1時間ほどの場所にある西尾市。
抹茶やうなぎ、えびせんが有名な街である。

そんな西尾市のシンボル的な大仏がこちら。

刈宿の大仏」である。

さすが名古屋という色使い、なかなかオシャレだ。
あと、どことなくテクノロジー感が漂っている印象を受けるのは私だけ?
おそらく光背がそれを演出しているんだろうだろうと思うが。
光背がある大仏はありそうでなかなかない。
ましてや、光背がある全身の赤褐色の坐像というのは世界広しといえどもここだけでなかろうか。
読み方もだいぶつではなく「おおぼとけ」なのでご注意いただきたい。

なぜこんなところ大仏が建立されたかというと、漁師の安全を祈願するためということだ。

奇しくもこの日は愛知県全域に台風が直撃するという災難。
めげずに撮影は敢行したものの、ゆっくり拝めなかったことが残念。
西尾にはNPOの仲間がたくさんいるので、次回また晴れた日に。

大仏等級

平幕(10M~19M
大仏の高さ14メートル
コンクリート製

愛知県西尾市西尾市刈宿町出口50

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